賃貸のネジ穴は退去時に請求される?費用相場と借主が知るべき基準
神戸エリアの賃貸紹介を行う「OGAココヤル不動産」の担当者が、賃貸のネジ穴をめぐる原状回復の判断基準と、退去時に請求される費用の目安をまとめました。棚やカーテンレールを取り付けようとしてネジ穴を開けてしまった、あるいは入居中に開けたネジ穴が退去時にどう扱われるか不安という方は多くいます。画鋲の穴とネジ穴では、原状回復の扱いがまったく異なります。退去前に正しい知識を持っておくことが、余分な費用負担を防ぐ最大の対策です。
賃貸のネジ穴は「借主負担」になるのか
結論から言うと、賃貸のネジ穴は原則として借主(入居者)の原状回復義務が発生します。国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、壁の穴を以下のように区別しています。
| 穴の種類 | 原状回復義務 | 理由 |
|---|---|---|
| 画鋲・ピンの穴 | 原則なし | 通常の生活の範囲内とみなされる |
| ネジ穴・釘穴(軽微) | あり(穴埋め補修) | 通常損耗を超えると判断される |
| ネジ穴・釘穴(大きい・多数) | あり(壁紙張り替え) | 下地ボードへのダメージが大きい |
ガイドラインでは「重量物をかけるためにあけたネジ穴・釘穴は、下地ボードの張り替えが必要な程度のもの」については借主負担と明記されています。画鋲と異なり、ネジは壁の奥まで食い込むため、壁紙だけでなく石膏ボード(下地)にまでダメージが及ぶことが理由です。
賃貸のネジ穴で請求される費用の目安
①穴埋め補修のみで済む場合
ネジ穴が小さく、穴埋め剤(パテ)で目立たなくなる程度であれば、補修費用は1箇所あたり数百円〜2,000円程度が目安です。他のクリーニングや補修作業と同時に行われることが多く、ネジ穴単体で高額請求になるケースは少ないといえます。
②壁紙(クロス)の張り替えが必要な場合
穴が大きい・複数箇所ある・穴の周囲の壁紙が汚れているなどの理由で壁紙の張り替えが必要と判断された場合、費用は一面単位での計算になります。
- 壁紙張り替え費用の目安:1㎡あたり1,000〜1,500円程度
- 一面(例:10㎡)の場合:10,000〜15,000円程度
- ただし壁紙の経過年数によって借主負担額は変わる
壁紙の経過年数と借主負担割合の考え方
国土交通省のガイドラインでは、壁紙(クロス)は6年で残存価値が1円になるとされています。つまり入居時に新品の壁紙が貼られていた場合、3年入居後に退去すると借主の負担割合は約50%になります。6年以上入居していた場合は壁紙自体の残存価値がほぼゼロになるため、張り替え材料費の借主負担はなくなります。ただし、工事費・人件費については請求される場合があります。
③下地ボード(石膏ボード)の張り替えが必要な場合
重量物の取り付けで石膏ボードにひびが入ったり、大きく破損したりした場合は、下地ボードの張り替えまで必要になります。この場合は数万円規模の請求になることもあります。ただし、一般的なネジ穴でここまで発展するケースはまれです。
契約書の「特約」に注意が必要なケース
ここで多くの競合記事が触れていない重要な点があります。それが契約書に記載された「特約」の扱いです。
国土交通省のガイドラインはあくまで「目安」であり、契約書に特約として「画鋲・ネジ穴も借主負担」と明記されていれば、その特約が優先される場合があります。特約が有効と認められるには以下の条件が必要とされています。
- 特約の内容が明確に記載されていること
- 入居者が特約の内容を理解・合意した上で署名していること
- 特約によって借主が負担する内容が合理的な範囲を超えていないこと
例えば神戸エリアでもOGAココヤル不動産が扱う物件では「釘・ネジ穴等の修繕は入居者負担とする」という特約が記載されているケースがあります。入居時に契約書の特約欄を確認しておくことで、退去時のトラブルを未然に防げます。
ネジ穴を開けてしまったときの正しい対処法
①自分で補修すべきか迷ったら管理会社に確認する
「バレないように自分で穴を埋めてしまおう」と考える方もいますが、市販の補修材での素人補修は仕上がりが目立ちやすく、退去時に「補修の跡がある=もともと穴があった」と判断されない場合もあります。補修を試みる前に、まず管理会社に現状を報告し、対応方針を確認するのが安全です。
②入居中に気づいたら写真で記録を残す
ネジ穴を開けてしまった時点で、穴の大きさ・位置・状態を日付入りで撮影しておきましょう。退去時に「入居中に発生した穴」であることの記録になり、管理会社との認識のずれを防ぎます。
③退去前の立ち合いで穴の扱いを確認する
退去時の立ち合いでは、ネジ穴を含む壁の状態について管理会社・オーナーと合意内容を書面で確認することが重要です。口頭だけで済ませると、後日「そのような話はしていない」というトラブルになるケースがあります。
ネジ穴を開けずに壁を使う代替手段
退去時の費用負担を避けたいなら、最初からネジ穴を開けない方法を選ぶのが現実的です。
- 石膏ボード専用ピン・フック:壁美人・ニンジャピンなど、穴が極めて小さく原状回復不要とされる商品が多数存在する
- 突っ張り棒・つっぱりラック:天井と床で固定するため、壁に穴を開けない
- マグネット式フック:金属部分がある壁・建具に貼り付け可能
- 賃貸OK壁紙シール・貼って剥がせるフック:剥がし跡が残りにくいタイプが市販されている
中古の賃貸物件だけとっても壁の材質が物件によって異なります。石膏ボードでない壁(コンクリートや木材)では石膏ボード専用ピンが使えないこともあるため、入居時に壁の素材を確認しておくことをおすすめします。
賃貸のネジ穴に関するよくある質問
Q. 小さいネジ穴1つでも請求されますか?
穴が小さく、穴埋め補修で目立たなくなる程度であれば請求額は数百円〜2,000円程度と軽微です。ただし契約書に特約がある場合や、穴の周囲の壁紙に汚れ・破損が広がっている場合は追加費用が発生することがあります。
Q. 退去前に自分でパテで埋めたらどうなりますか?
市販のパテで補修すること自体は禁止されていませんが、仕上がりが目立つ場合は管理会社から「補修が不完全」として改めて業者補修を依頼される可能性があります。自己補修するなら管理会社への事前確認と、補修前後の写真記録が必須です。
Q. 6年以上住んでいればネジ穴の費用は請求されませんか?
壁紙の残存価値はゼロになりますが、「工事費・人件費」については6年以降も請求対象となる場合があります。「6年住めば何をしても請求されない」という認識は誤りです。あくまで材料費の負担がゼロになるという意味です。
Q. 大家さんがネジ穴に気づかなかった場合は?
退去立ち合い時に見落とされた場合でも、後日発見されて請求が来るケースがあります。退去時の立ち合い確認書に「その他の損傷なし」と記載・署名できていれば後からの請求に対抗できますが、記載がない場合は対抗が難しいこともあります。
まとめ:賃貸のネジ穴は事前確認と記録で対策できる
賃貸のネジ穴は原則として借主負担の原状回復義務が発生しますが、費用の大きさは穴のサイズ・数・壁紙の経過年数・契約書の特約内容によって変わります。退去時に不当な費用を請求されないためには、入居時の契約書確認・開けた穴の記録・退去立ち合い時の書面確認という3つの対策が有効です。
神戸や関西エリアの不動産、賃貸契約ならぜひOGAココヤル不動産までご相談ください。私たちは大手ではありませんが、その分お客様の立場に立って親身にサポートすることが可能です。こだわりの物件を探したい、または何かしらの事情をお持ちの方でお部屋探しや不動産売買、管理にお困りの方はぜひ一度ご相談ください。

