賃貸の更新料はなぜ請求される?相場や拒否の可否を解説
賃貸の更新料について、「なぜ支払う必要があるの?」「金額はいくらが普通?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。
賃貸契約を更新する際に請求される更新料は、地域や物件によって大きく異なり、時には家計に大きな負担となることもあります。本記事では、更新料の仕組みから相場、支払いを拒否できるケースまで、どなたにでも理解できるようにわかりやすく解説します。
更新料とは何か?基本的な仕組みを理解しよう
更新料とは、賃貸契約を継続する際に借主が貸主に支払うお金のことです。多くの賃貸契約は2年間の期間で結ばれており、その期間が満了した時に契約を続けたい場合に支払います。
更新料は法律で定められたものではなく、あくまで契約書に記載された場合にのみ支払い義務が発生します。つまり、更新料があるかないかは物件によって異なるということです。
更新料が設けられる理由
なぜ更新料という制度があるのでしょうか。主な理由は以下の通りです。
- 貸主の収入を安定させるため
- 契約更新に伴う事務手続きの費用をまかなうため
- 物件の維持管理費用の一部として
- 地域の商習慣として定着しているため
特に関東地方では昔からの慣習として更新料制度が根付いており、貸主にとっては重要な収入源となっています。
更新料の相場はいくら?地域による違いも解説
全国の更新料相場
2024年現在の調査によると、更新料の相場は以下のようになっています。
| 更新料の金額 | 割合 | 説明 |
|---|---|---|
| 家賃1ヶ月分 | 77.2% | 最も一般的な設定 |
| 家賃1ヶ月未満 | 22.5% | 0.5ヶ月分など |
| 家賃2ヶ月分 | 9.8% | 高額設定の物件 |
| その他 | 3.0% | 1.5ヶ月分など |
つまり、約8割の物件で家賃1ヶ月分の更新料が設定されているということになります。
地域による大きな違い
更新料は地域によって大きく異なります。特に関東と関西では全く違う慣習があります。
| 地域 | 更新料の相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京都 | 家賃1.0ヶ月分 | 更新料ありが一般的 |
| 神奈川県 | 家賃0.8ヶ月分 | 90.1%の物件で更新料あり |
| 千葉県 | 家賃1.0ヶ月分 | 82.9%の物件で更新料あり |
| 京都府 | 家賃1.4ヶ月分 | 全国で最も高額 |
| 大阪府 | 0円 | 更新料の慣習なし |
| 兵庫県 | 0円 | 更新料の慣習なし |
関東では更新料があるのが当たり前ですが、関西(京都除く)では更新料ゼロが一般的です。これは地域の商習慣の違いによるものです。
更新料に法的根拠はあるの?最高裁判決も解説
法律上の位置づけ
実は、更新料について定めた法律は存在しません。民法や借地借家法にも更新料に関する規定はないのです。
では、なぜ更新料を支払わなければならないのでしょうか。それは契約書に記載されているからです。賃貸契約書に更新料の支払いについて明記されている場合、それは有効な契約内容となります。
最高裁判決による確定
更新料の有効性については、これまで多くの裁判が行われてきました。そして2011年に最高裁判所が重要な判決を下しました。
最高裁は「更新料は賃料とともに賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常であり、その支払により賃借人は円満に物件の使用を継続することができる」として、契約書に明記された更新料の有効性を認めました。
更新料の支払いは拒否できる?条件や注意点
基本的には支払い義務がある
契約書に更新料について記載がある場合、原則として支払いを拒否することはできません。支払いを拒否した場合、以下のリスクがあります。
- 契約解除される可能性
- 退去を求められる可能性
- 法的措置を取られる可能性
- 信用情報に影響する可能性
拒否できるケース
ただし、以下のような場合には支払いを拒否できる可能性があります。
- 契約書に記載がない場合
契約書に更新料についての記載がなければ、支払う義務はありません。 - 金額が異常に高額な場合
家賃の3ヶ月分以上など、常識を超えた金額の場合は無効になる可能性があります。 - 法定更新の場合
当事者間で更新手続きを行わず、法律上自動的に更新された場合は更新料の支払い義務がありません。
値下げ交渉は可能
更新料の支払い自体は拒否できなくても、金額の値下げ交渉は可能です。特に以下のような場合は交渉の余地があります。
- 長期間住んでいる優良な入居者である
- 周辺相場より高額な更新料が設定されている
- 物件に不具合があり修繕されていない
- 近隣に更新料なしの類似物件がある
更新料が払えない場合の対処法
事前に相談することが重要
更新料が支払えない場合、まずは大家さんや管理会社に早めに相談しましょう。黙って支払わないでいると、信頼関係が悪化してしまいます。
具体的な対処法
- 分割払いの相談
一括での支払いが困難な場合、2~3回に分けて支払えないか相談してみましょう。 - 支払い期日の延期
給料日やボーナス支給日まで待ってもらえないか交渉しましょう。 - 連帯保証人への相談
連帯保証人に一時的な立て替えをお願いすることも選択肢の一つです。 - 金額の減額交渉
満額は難しくても、少しでも減額してもらえないか相談してみましょう。
更新料を支払わずに住み続けることは契約違反となります。最悪の場合、強制退去となる可能性もあるため、必ず事前に相談することが大切です。
更新料制度の今後の動向
廃止の動きも見られる
近年、更新料を廃止する大家さんや不動産会社も増えています。その理由は以下の通りです。
- 入居者の定着率向上
- 他物件との差別化
- トラブル回避
- 入居者の満足度向上
市場競争の影響
賃貸市場の競争が激化する中で、更新料なしを売りにする物件も増えています。特に若い世代をターゲットとした物件では、更新料廃止が効果的な集客手段となっています。
まとめ:更新料について正しく理解しよう
賃貸の更新料について、重要なポイントをまとめます。
- 更新料は法律で定められたものではなく、契約書の記載によって決まる
- 相場は家賃1ヶ月分が一般的(地域により大きく異なる)
- 関東では更新料あり、関西(京都除く)では更新料なしが一般的
- 契約書に記載がある場合、原則として支払い義務がある
- 支払いが困難な場合は、早めに相談することが重要
- 近年、更新料を廃止する動きも見られる
更新料は賃貸生活において避けて通れない費用の一つですが、正しい知識を持つことで適切に対応できます。契約時には必ず更新料の有無と金額を確認し、支払いが困難な場合は早めに相談することを心がけましょう。
また、引っ越しを検討する際は、更新料の有無も含めて総合的に判断することが大切です。長期間住む予定がある場合は、更新料なしの物件を選ぶことで、トータルコストを抑えることができるでしょう。

