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賃貸の家賃値上げは拒否できる?退去を避ける正しい対応手順

賃貸の家賃値上げは拒否できる?退去を避ける正しい対応手順
kokoyaru2025

神戸エリアの賃貸紹介を行う「OGAココヤル不動産」の担当者が、賃貸の家賃値上げ通知が届いたときの正しい対応手順と、拒否できるケース・できないケースの判断基準をまとめています。突然の値上げ通知に「拒否したら退去させられるのでは」と不安になる方は多いですが、借地借家法によって借主の権利はしっかり守られており、値上げに応じなかったことだけを理由に退去を強制されることはありません。

ただし対応を誤ると交渉が不利になったり、貸主との関係が悪化するリスクもあります。通知を受け取ったらまず落ち着いて、正しい手順で対応することが重要です。

家賃値上げの法律上の根拠を知っておく

賃貸の家賃値上げ(増額請求)については、借地借家法第32条で明確にルールが定められています。貸主が家賃の値上げを請求できる条件は以下の3つに限られています。

  • 土地・建物に対する租税(固定資産税など)の負担が増加したとき
  • 土地・建物の価格の上昇など経済事情が変動したとき
  • 近隣の同種物件の家賃と比較して現在の家賃が不相当になったとき

逆に言えば、これらの条件に当てはまらない値上げ請求には法的な根拠がありません。また借地借家法は借主を保護するための法律であり、貸主が一方的に「来月から値上げします」と通知しても、借主が合意しない限り値上げは成立しません。値上げには借主の同意が必要であることを、まず正しく理解しておきましょう。

値上げ通知が届いたらまず確認すること

値上げ通知を受け取ったら、感情的に反応する前に以下の点を冷静に確認することが先決です。

①値上げの理由が明記されているか

通知書に値上げの理由が記載されているか確認してください。「固定資産税の増加」「近隣相場との乖離」など具体的な理由があるかどうかで、値上げの正当性を判断する材料になります。理由が書かれていない場合は、貸主または管理会社に理由の説明を求めることができます。

②値上げ幅が相場と比較して妥当かどうか

近隣の同条件物件(築年数・広さ・設備が近い物件)の家賃相場を調べ、要求されている値上げ後の家賃が相場の範囲内かどうかを確認します。SUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトで同エリア・同条件の物件を検索することで、おおよその相場感をつかむことができます。相場を大きく上回る値上げ要求であれば、交渉の余地があります。

③賃貸借契約書の内容を確認する

契約書に「〇年ごとに家賃を見直す」などの家賃改定条項が含まれている場合があります。ただしこの条項があっても借主の同意なく自動的に値上げされるわけではなく、あくまで「協議する」という意味合いのものがほとんどです。契約書の文言を正確に確認した上で対応方針を決めてください。

家賃値上げを拒否できるケース・難しいケース

拒否できる可能性が高いケース

  • 値上げの理由が不明確・説明がない
  • 値上げ後の家賃が近隣相場を大きく上回っている
  • 固定資産税の増加など客観的な根拠が示されていない
  • 入居直後や直近で値上げが行われたばかりのタイミング
  • 値上げ幅が短期間に何度も繰り返されている

値上げを受け入れる検討が必要なケース

  • 入居から長期間が経過し、近隣相場と現在の家賃に明らかな乖離がある
  • 固定資産税の増加・建物維持費の上昇など合理的な根拠が示されている
  • 値上げ幅が小さく(月額1,000〜3,000円程度)、相場の範囲内に収まっている

拒否するかどうかの判断は「値上げの根拠が正当か」「値上げ後の家賃が相場として妥当か」の2点を軸に考えるのが基本です。感情的に拒否するのではなく、根拠を確認した上で対応することが交渉を有利に進めるポイントになります。

値上げを拒否しても退去させられることはないのか

「値上げを断ったら退去させられるのでは」という不安を持つ方は非常に多いですが、これは法律上、原則として起こりません。

借地借家法のもとでは、家賃の増額について借主が合意しない場合、貸主は裁判所に「賃料増額請求の調停・訴訟」を申し立てるという手続きを経なければなりません。値上げを拒否しただけで貸主が一方的に契約を解除し、退去を求めることは法律上できません。拒否したことを理由にした強制退去は「不当な契約解除」にあたり、借主はこれを拒むことができます。

ただし、値上げ拒否後も貸主との関係が悪化する可能性はゼロではありません。長く住み続けたい場合は、拒否の仕方・交渉の進め方に配慮することが現実的には重要です。

値上げ通知への正しい対応手順

STEP1:まず「検討中」と伝えて時間を確保する

値上げ通知を受け取ったら、その場で即答しないことが鉄則です。「内容を確認した上で回答します」と伝え、相場調査・契約書確認・条件整理のための時間を確保してください。即答で「わかりました」と伝えてしまうと口頭での合意と見なされるリスクがあります。

STEP2:相場を調べて値上げの妥当性を判断する

近隣の同条件物件の家賃相場を調べ、値上げ後の家賃が相場として妥当かどうかを確認します。相場調査の結果をもとに「現在の家賃でも相場の範囲内である」という根拠を持って交渉に臨むことで、説得力が大きく変わります。

STEP3:書面で交渉・回答する

口頭ではなく書面(手紙またはメール)で回答・交渉することを強くおすすめします。書面で残しておくことで後からの言った言わないトラブルを防ぐことができます。返答の文面は感情的な表現を避け、事実と根拠を淡々と示すことが重要です。

STEP4:折衷案を提示して合意点を探る

「値上げそのものを拒否する」ではなく「値上げ幅を小さくしてほしい」という形で折衷案を提示することで、交渉がまとまりやすくなります。たとえば「月3,000円の値上げを要求されている場合に月1,000円の値上げで合意する」という形で着地させることは、双方にとって現実的な解決策になります。

STEP5:合意できない場合は調停・訴訟になる

借主が値上げに合意しない場合、貸主は簡易裁判所に「賃料増額調停」を申し立てることができます。調停でも合意が得られなければ訴訟に移行します。調停・訴訟になった場合は、裁判所が近隣相場や固定資産税の変動などを考慮した上で適正家賃を判断します。この間、借主は現在の家賃を払い続ける義務があり、支払いを止めると家賃滞納とみなされるリスクがあるため注意が必要です。

値上げ通知への返答文の書き方

書面で回答する際の基本的な構成は以下の通りです。感情的な表現は避け、事実ベースで簡潔にまとめることがポイントです。

返答文の基本構成

①値上げ通知を受け取ったことの確認
②値上げの根拠・理由についての確認または質問
③相場調査に基づく現在の家賃の妥当性の主張
④値上げに応じられない(または値上げ幅の変更を求める)旨の意思表示
⑤今後の協議・話し合いへの意向

強硬な拒否文ではなく「協議の余地がある」というスタンスで書くことで、貸主との関係を必要以上に悪化させずに交渉を進めることができます。

よくある質問

Q. 値上げを拒否している間、家賃はいくら払えばいいですか?

値上げに合意していない場合は、従来の家賃(値上げ前の金額)を払い続けることが原則です。値上げ分を含めた金額を払う必要はありませんが、支払い自体を止めると家賃滞納になるため、現行の家賃は必ず払い続けてください。万が一調停・訴訟で値上げが認められた場合は、差額を後から支払う必要が生じますが、これは調停・訴訟の結果が確定してからの話です。

Q. 口頭で「わかりました」と言ってしまった場合はどうなりますか?

口頭での合意も法律上は有効になりうるため、できるだけ早く「改めて検討したい」と伝えることが重要です。ただし口頭の合意は証拠として弱いため、書面による正式な合意書が作成される前であれば、撤回できる余地があります。不安な場合は早急に不動産会社または弁護士に相談することをおすすめします。

Q. 更新のタイミングで値上げを求められた場合はどうすればいいですか?

契約更新時の値上げ要求も、基本的な対応手順は同じです。ただし更新を拒否された場合の扱いは通常の値上げ拒否と異なるため、注意が必要です。貸主が「値上げに合意しないなら更新しない」というスタンスを取る場合もありますが、正当な事由がない契約更新拒絶は借地借家法上認められないため、借主は法定更新(自動更新)を主張できます。更新時の値上げ交渉は早めに動き始めることがポイントです。

まとめ:賃貸の家賃値上げは拒否できる。ただし対応手順が結果を左右する

賃貸の家賃値上げは、借主が合意しない限り成立しません。値上げを拒否しただけで退去させられることは法律上できず、借主の権利は借地借家法によってしっかり守られています。ただし対応を誤ると交渉が不利になったり、貸主との関係が悪化するリスクもあります。通知を受け取ったら即答せず、相場を調べ、書面で冷静に交渉することが最善の対応です。2026年時点でも賃貸の家賃値上げに関するトラブルは増加傾向にあるため、自分の権利と正しい対応手順を事前に把握しておくことが重要です。

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