老後は賃貸と持ち家どちらが安心?借りにくくなっていくというのは本当?
老後の住まい選びは、多くの人が悩む重要な問題です。
この記事では、神戸エリアの賃貸紹介を行う「ココヤル不動産」の担当者がプロの視点から、老後の賃貸と持ち家それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
高齢者の賃貸事情の現状や、将来に向けた住まい選びのポイントをわかりやすくお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
老後の住まい選びが重要な理由
日本の高齢化社会が進む中で、老後の住まい選びはますます重要になっています。65歳以上の高齢者のうち、約8割が持ち家を選択しているという現状があります。しかし、ライフスタイルの多様化により、賃貸を選択する高齢者も一定数存在しています。
老後の住まい選びは、経済面だけでなく、健康状態や家族構成、地域とのつながりなど、様々な要素を総合的に考える必要があります。
高齢者の住居形態別割合
| 年齢層 | 持ち家率 | 賃貸率 |
|---|---|---|
| 60-64歳 | 約80% | 約20% |
| 65-69歳 | 約86% | 約14% |
| 70歳以上 | 約88% | 約12% |
老後の賃貸住宅のメリットとデメリット
賃貸住宅のメリット
- 住み替えの自由度が高い:体調や経済状況に応じて、適切な環境に移ることができます
- 維持管理の負担がない:設備の故障や修繕は大家さんの責任で対応してもらえます
- 初期費用が比較的安い:敷金・礼金程度で済むため、大きな資金調達が不要です
- 固定資産税がかからない:税金の負担を気にせずに住むことができます
- 災害リスクが少ない:建物の損害については大家さんが対応します
賃貸住宅のデメリット
- 一生涯家賃の支払いが続く:月8万円の家賃を65歳から90歳まで支払うと2,400万円になります
- 入居審査が厳しくなる:年齢を重ねるほど、新しい物件を借りるのが困難になる可能性があります
- 資産として残らない:長年家賃を支払っても、自分の財産にはなりません
- 自由なリフォームができない:高齢者向けの設備改修が制限される場合があります
老後の持ち家のメリットとデメリット
持ち家のメリット
- 住宅ローン完済後の負担軽減:定年までに完済すれば、老後の住居費は大幅に削減できます
- 資産として活用可能:売却や担保として利用できるため、老後資金の確保に役立ちます
- 自由にリフォーム可能:バリアフリー化など、高齢者向けの改修を自由に行えます
- 住み慣れた環境を維持:地域コミュニティとのつながりを保ちやすくなります
持ち家のデメリット
- 維持管理費用の負担:修繕費、固定資産税、火災保険料などが継続的にかかります
- 住み替えの困難さ:身体状況や環境の変化に対応した転居が難しくなります
- 災害リスクの負担:自然災害による損害は全て自己負担となります
- 相続時の問題:子どもが遠方に住んでいる場合、空き家となるリスクがあります
高齢者の賃貸入居が困難になる現実
現在、賃貸オーナーの約4割が高齢者の入居を受け入れていないという調査結果があります。また、高齢者の4人に1人以上が年齢を理由とした入居拒否を経験しているのが現状です。
入居拒否される主な理由
- 家賃滞納のリスク:収入の減少や病気による支払い能力への不安
- 孤独死への懸念:単身高齢者の場合、発見が遅れるリスクがある
- 緊急連絡先の問題:保証人や身元引受人を立てるのが困難
- 周辺住民とのトラブル:認知症による問題行動への懸念
- 残置物の処理:亡くなった際の荷物整理に関する負担
65歳以上が入居可能な賃貸物件は、全体の約5%しかないという現実があります。早めの対策が重要です。
生涯住居費用の比較シミュレーション
実際に賃貸と持ち家でどの程度費用に差が出るのか、具体的なシミュレーションで比較してみましょう。
50年間の生涯住居費比較
| 項目 | 賃貸(月8万円想定) | 持ち家(3,500万円購入想定) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 約80万円(敷金・礼金等) | 約350万円(頭金・諸費用) |
| 月々の支払い | 約8万円(家賃) | 約10万円(ローン返済) |
| 維持費用 | 約60万円(更新料等) | 約800万円(修繕・税金等) |
| 総費用(50年) | 約4,940万円 | 約4,150万円 |
この試算では、持ち家の方が約800万円程度安くなる結果となりました。ただし、この差額は立地や物件価格、金利状況によって大きく変わることに注意が必要です。
高齢者が賃貸を借りやすくするための対策
高齢者でも賃貸住宅を借りやすくするための具体的な対策をご紹介します。
個人でできる対策
- 資産証明の準備:預金残高や年金受給証明書で支払い能力を示す
- 家賃保証会社の利用:高齢者向けプランのある保証会社を活用する
- 身元保証サービスの利用:NPO法人等が提供する身元保証制度を活用する
- 複数人での入居:夫婦や子どもとの同居でリスクを軽減する
- 前払い家賃の提案:数ヶ月分の家賃を前払いして信用度を高める
制度的な対策
- 住宅セーフティネット制度:国が認定した登録住宅での家賃補助制度
- UR賃貸住宅:礼金・仲介手数料なしで、保証人も不要
- 公営住宅の活用:所得に応じた低額な家賃で利用可能
- 高齢者向け優良賃貸住宅:自治体が運営する高齢者専用の賃貸住宅
2025年10月から改正住宅セーフティネット法が施行され、高齢者向けの家賃保証制度がさらに充実する予定です。
老後の住まい選びで重要なポイント
経済面での検討事項
- 年金収入との比較:月々の支払いが年金額の3分の1以下になるよう計画する
- 医療費の考慮:高齢になるほど医療費が増加することを見込む
- 介護費用の準備:将来的な介護サービス利用を想定した資金計画
- 相続税対策:持ち家の場合は相続時の税金も考慮する
生活面での検討事項
- 医療機関へのアクセス:通院しやすい立地を重視する
- バリアフリー対応:将来の身体機能低下に備えた住環境
- 買い物の利便性:日常生活に必要な店舗への近さ
- 地域コミュニティ:孤立しないための人とのつながり
- 災害時の安全性:避難経路や建物の耐震性の確認
まとめ:自分に合った住まい選びを
老後の住まい選びは、経済状況、健康状態、家族構成、価値観など様々な要因を総合的に判断する必要があります。賃貸には自由度の高さ、持ち家には安定性というそれぞれの魅力があります。
重要なのは、現在の状況だけでなく、10年後、20年後の自分の状況を想定して計画を立てることです。また、高齢者の賃貸入居が困難になっている現状を踏まえ、早めに住まいの選択肢を検討しておくことをおすすめします。
神戸エリアでの住まい探しでお困りの際は、高齢者の賃貸事情に詳しい不動産会社に相談することをおすすめします。地域の特性を理解した専門家のサポートを受けることで、より良い住まい選びができるでしょう。

